平成23年度税制改正(消費税に関して)

平成23年度税制改正において消費税については、事業者免税点制度及び仕入税額控除制度における95%ルールの2点が大きく改正されました。

1 事業者免税点制度
消費税には、中小事業者の申告および納付に係る事務負担軽減を考慮して、一定の事業者について申告および納付の義務を免除する事業者免税点制度が設けられています。

<改正前>
基準期間(原則として個人事業者の場合は前々年前、法人の場合は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下である事業者については免税事業者(事業年度開始時に資本金1,000万以上の法人は除く)となります。

<改正後>
基準期間の課税売上高が1,000万円以下である事業者のうち、特定期間における課税売上高が1,000万円を超えるときは、課税事業者となります。特定期間とは、個人事業者の場合はその年の前年1月1日から6月3日までの期間、法人の場合は原則としてその事業年度開始の日以後6カ月の期間を言います。なお課税売上高に代えて、事業者が特定期間中に支払った一定の給与総額で判定することが出来ます。事業者にとって有利な方(小さい方)で判定することが出来ます。
例えば24年度まで免税事業者であった個人事業者が25年度の課税・免税の判定を行う場合、23年度が1,000万円以下であれば、次に24年度の1月から6月までの課税売上高もしくは給与総額を確認します。どちらかが1,000万円以下であれば、有利な方を選択できますので免税業者となりますが、課税売上高、給与総額のいずれもが1,000万円を超えていれば課税業者となります。
この改正は平成25年1月1日以後に開始する個人事業者のその年または法人のその事業年度について適用されます。

2 仕入税額控除制度
消費税の基本的な納税計算は、課税売上により相手から受け取った消費税額から、仕入・経費等について支払った消費税額を控除した金額が納付税額となります。このように課税売上に係る消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除することを仕入税額控除と言います。しかし、消費税が非課税となる売上に対応する仕入については仕入税額控除を認めないのが原則です。

<改正前>
事業者の事務負担の煩雑さに配慮して課税売上割合(課税期間中の課税売上高÷課税期間中の総売上高)が95%以上の場合は全額を仕入税額控除することができます。95%未満の場合は、課税売上に対応する部分の金額として個別対応方式または一括比例配分方式により計算した金額を課税売上に係る消費税額から控除することが出来ます。

<改正後>
事業者負担の配慮を中小事業者に限定することを目的に、課税期間の課税売上高が5億円を超える事業者は、課税売上割合が95%以上であっても、個別対応方式または一括比例配分方式でしか仕入税額控除が認められなくなりました。
この改正は平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。